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エアロボマーカー/エアロボクラウド[基準点測量機能テクニカルレポート]

本ブログでは、エアロボマーカー・エアロボクラウドの性能についてご説明させて頂きましたが、今回は活用事例を中心に、エアロボマーカー・エアロボクラウド使用によるメリットをより詳細にご紹介させて頂きたいと思います。

(まずはじめに

▲お客様への提供情報▲

  • 従来手法とエアロボマーカー/クラウドを利用した方法の比較を分かりやすく解説
  • エアロボマーカー/クラウド使用によるメリットを解説[事例・実績に基づくデータも公開]
  • エアロボクラウドと一般的な商標網計算ソフトの違いが鮮明に分かる[比較表公開]

▲目次▲

  • 従来手法とエアロボマーカー/エアロボクラウド[従来手法の課題とエアロボマーカー/クラウドの利点もセットで解説]
  • エアロボマーカー/クラウドを使った三次元網計測の精度[基準点成果を持つ基準点使用による検証]
  • 任意のGNSS測量機器への対応
  • エアロボマーカー/クラウド使用によるメリットのまとめ
  • 一般的な商標計算ソフトウェアとエアロボクラウドの比較 [比較表掲載]

従来手法とエアロボマーカー/エアロボクラウド[従来手法の課題とエアロボマーカー/クラウドの利点もセットで解説]

従来手法とエアロボマーカー/クラウド

<従来手法の課題>

一般的な施工ワークフローでは、現場の詳細な図面を作成するため、施工開始時に、現場内に基準点を設置し、基準点測量を実施することが公共測量作業規定の準則で定められています。基準点測量では、はじめに、現場周辺の高級な基準点(1、2級基準点)を調査し、そこから現場内に、3、4級基準点を引っ張ってきますが、測量現場が広い場合、あるいは、新設する基準点が多い場合は、測量機器を持ち運ぶことはもちろんのこと、測量後も観測値の入力や多角網の作成など、基準点測量に関連する一連の業務は、測量実施者の負担となっているのが現状です。

<エアロボマーカーの利点>

エアロボマーカーは、GNSSレシーバーが搭載されたGNSSロガーであり、軽量、簡単操作をメリットとしています。2019年12月に国土地理院による機器登録承認が完了し、地図作成を含むすべての基準点測量に、「2級GNSS測量機器」として使えるようになりました。(※https://psgsv2.gsi.go.jp/koukyou/kihon/kisyu/gnss-2.htm国土地理院による機器登録承認に関するエビデンス

エアロボマーカーを測量計画に従い、現場に設置し、1時間以上の観測を行います。設置は、エアロボマーカーの電源を押すだけなので、作業者一人で実施できます。必要あれば、三脚、整準台を用意し、測量杭など直接エアロボマーカーを置けない場所にも設置することもできます。

<エアロボクラウドの利点>

観測終了後は、観測ログをエアロボクラウドにアップロードする。アップロートが完了すると基準点測量に必要な下記の処理が自動で行われます。

  • 観測ログのマルチセッション分割
  • 多角網の生成
  • 基線解析
  • 点検計算
  • 3次元網平均計算(仮定網・厳密網
  • 帳票出力(作業規定準則に沿った手簿、記簿、成果簿、網図、精度管理表等)

下に、実際の基準点測量現場において、現場周辺の2級基準点3点(電子基準点、301、302、303)から、現場内に新点25点を設置した事例を示します。

新点25点、既知点3点から構成される閉合多角網。基線73。

・観測点のログ時間グラフ。3セッションからなる。

<エアロボマーカー/クラウド使用による大幅な作業の効率化のポイント>

従来のトータルステーションを使った手法では、新点25点の現場測量時間は、2人作業でおよそ1日。測量後、一般的な網平均計算ソフトウェアを用いて解析した場合、後処理作業時間3時間、計算時間2時間、計14時間の作業工数となります。

 これに対し、エアロボマーカー/エアロボクラウドを使用した場合、エアロボマーカー設置/計測に4時間、エアロボクラウドによる自動網平均計算、計算結果検討に2時間の計6時間と、従来手法に比べて作業工数を60%削減できました(下グラフ)。エアロボマーカーは、トータルステーションと違い、多点同時に計測できるので、観測点数が多いほど、現場作業時間を削減できる効果が大きいです。また、後段の解析においても、エアロボクラウドへのログのアップロード、網計算開始と、最短2ステップで網計算が開始できるので、工数削減に大きく寄与します。

<作業時間比較表>

エアロボマーカー/クラウドを使った三次元網計測の精度[基準点成果を持つ基準点使用による検証]

<全自動の三次元網平均計算および計算精度>

エアロボマーカー/エアロボクラウドの3次元網計算の精度を検証するため、公共測量成果をもつ基準点を使って検証しました。国土地理院提供のオンライン基準点データベース(基準点成果等閲覧サービス)より、測量年度、基準点等級の異なる9つの基準点を網羅的に抽出し(下図。場所はひたちなか市)、同基準点をエアロボマーカーで計測しました。マーカーは、簡単のため、基準点の上に直置き。成果値を正としたとき、成果値とエアロボマーカー計測値との差をもって、誤差と評価します。

※検証に用いた公共測量基準点。場所はひたちなか市

表1(上図)検証に使用した公共測量基準点リスト

エアロボクラウドでは、基線解析にGPS衛星L1周波数のみの1周波スタティック測位方式を採用しています(*)。スタティック測位では、観測ログの他、測量基準点(与点、既知点に相当)の観測ログが必要となりますが、エアロボクラウドでは、現場周辺にある最寄りの電子基準点3点を自動で検索し、基準局として使用します。同検証場所では、日立、水戸、鉾田の3電子基準点が選ばれました。
(*) 2020年度中に、GLOANSSや、QZSSなどマルチGNSS対応予定

 ひたちなかの例では、観測点が広範囲に分布し、観測点間が平均1km以上と新点間を結ぶ基線としては距離が長すぎるため(*)、精度評価の多角網として、観測点ごと、新点1つ、与点(電子基準点)3点からなる結合多角網を考えました(下図)。通常現場で実施される3級基準点、4級基準点測量における多角網については、後述します。
(*)1級基準点での新点間距離は、1km。等級が下がるにつれ、新点間隔は短くなります。

 また、3次元網平均計算の効果を確認するため、最近傍の電子基準点 水戸のみを使ったスタティック測位計算(網計算なし)もあわせて行いました。結果を下記にまとめます。

新点1点、与点3点からなる結合多角網。与点は、電子基準点、301(日立)、302(水戸)、303(鉾田)からなる。基線長は、およそ、日立18Km、水戸10Km、鉾田20Km

表2:最近傍電子基準点1点と各観測点とを結ぶ基線解析結果。網計算はなし。観測点番号は、表1に記載の観測点番号に対応。誤差は、大きさを表し、メートル単位。

表3:近傍電子基準点3点と各観測点とで構成される結合多角網3次元網平均計算結果。観測点番号は、表1に記載の観測点番号に対応。誤差は、大きさを表し、メートル単位。

 表2、3の結果の散布図表記。横軸: 水平方向誤差、縦軸: 高さ方向誤差を示す。両軸ともメートル単位。右図は、左図横軸0.03、縦軸 0.1の範囲を拡大した図。図中、青色点は、網計算なしの結果(表2)、橙色点は、網計算あり(表3)を示している。点の横に記載の番号は、観測点番号を表し、表1に記載の観測点番号に対応している。

表2、表3は、それぞれ網計算なし、網計算ありの場合の解析結果を平面直角座標系9系での座標値X, Y, Zとして表記したものです。さらに、データベースで公開されている測量成果値を正としたときの成果値との差をΔX、ΔY、高さ誤差として、また、ΔX, ΔYから計算される誤差大きさを水平方向誤差として記載しています。また、水平方向誤差 vs. 高さ方向誤差の分布図を上図に示す。なおこのプロットにおいて、点9は、fix率が低く(10%未満)、値そのものの信頼性が低いため、除外しました。(点9は、大木の根本に位置していたため、その大木が電波受信に影響したものと推測される)。上図より、観測点誤差は、大きくわけて、10cm以下(赤枠内)と、20cm以上(赤枠外)の2つの領域に分布することがわかりました。 

 誤差範囲が10cm以下の観測点は、9観測点中5点存在し、網計算なしで、水平方向誤差平均1.3cm、高さ方向誤差平均3.6cmとなり、これに対し、網計算ありだと、水平方向誤差平均1.1cm、高さ方向誤差平均 0.96cmとなりました。網計算を実施することで、両方向で精度が改善され、とくに、高さ方向精度は、大きく改善されることがわかりました。 

 誤差範囲が20cm以上の観測点は、9観測点中3点存在します。これら3点に共通するのは、成果値の測量年度が2011年以前という点です。

 下図は、横軸:測量年度、縦軸:誤差大きさ(網計算なし)をプロットした図ですが、測量年度の古い基準点ほど、電子基準点由来の測位結果との誤差が大きくなることがわかります。とくに、測量年度2011年以前ではその傾向は顕著。

電子基準点の測量成果は、元期値(2011年測量成果)での値であり、元期値に換算するための地殻移動量パラメータが毎年更新されるのに対し(いわゆるセミダイナミック補正)、基準点データベースに登録されている三角点由来の基準点は、測量した年度の計測値をもとに、元期値に補正され固定されるため、年度をおうごとに電子基準点由来の成果値から乖離するものと考えられます。(そもそも、測量年度の古い三角点などは、畑の中などにあることが多く、基準点そのものが動かされていることが多い。)

 測量年度が古い三角点をもとに測量がなされている現場では、その古い三角点を基準点としたGNSS測量をすることが望ましいです。エアロボクラウドは、現場既知点を基準点としたスタティック測位もサポートしており、例えば、点4を基準点として、同じ測量年度の点5を測位計算すると、水平方向誤差11cm, 高さ方向誤差2.2cm と、電子基準点由来の測位結果(表2) 水平方向誤差 19.2cm, 高さ方向誤差 48.3cmから精度が大きく改善されます。(下表)

一般的に、現場内に複数の既設基準点がある場合は、その基準点を与点としたGNSS測量を行うと、現場座標系により合致した測量精度を得ることができます。

 観測点数が多くなるとマーカー設置に時間がかかるため、観測点間(新点間)の観測時間が重なるように、1時間以上の長時間観測を実施するか、または、観測を複数に分けるマルチセッション観測を行う必要があります。エアロボマーカー/エアロボクラウドでは、長時間観測や、マルチセッション観測をサポートしており、たとえば、前パートで紹介した新点数25点、3セッションの計算例は下記となります。

各新点を三角メッシュの頂点とする基線数73の閉合多角網が自動で生成され、網計算結果は、下記となりました。

基線数73もの計算コストが大きい網計算であっても、エアロボクラウドは処理可能で、各基線ベクトルの斜距離の偏差、および、新点の標準偏差は、基準点測量作業規定の準則で規定されている4級基準点の許容範囲内に収まっていました。

③任意のGNSS測量機器への対応

エアロボクラウドは、2019年10月に、エアロボマーカー以外の任意のGNSS測量機器にも対応し、最寄りの電子基準点が測量現場から10km以上離れている基準点測量にも対応可能となりました。(つまり、すべての基準点測量に対応可能となりました。)
この具体例については、株式会社小泉測器製作所によるHi-Target社製1級GNSS受信機を用いたさまざまな検証結果の詳細なレポートがあるので、そちらもあわせて参照にして下さい。(参考URL:https://www.koi-s.jp/dm/dm2001.html

 網計算と同時に、基準点測量成果物としての各種帳票が作成され、エアロボクラウドよりダウンロードできます。エアロボクラウドは、2020年3月現在、一般的な商用網計算ソフトウェアで出力される帳票の80%をサポートしています(主要な帳票は、すべて対応済み。出力可能な帳票リストを本レポート末尾に記載)。これら帳票は、基準点測量作業規定の準則に則っているので、官公庁などの機関に提出することも出来ます。

エアロボマーカー/クラウド使用によるメリットのまとめ

  • エアロボマーカー/エアロボクラウドは、従来のトータルステーション/一般的な商標ソフトウェアを使った場合に対して、全作業工数を60%削減できることがわかった。エアロボマーカーは、多点同時計測が可能なため、観測点数が多いほど、その削減効果が大きい。
  • 成果値のわかっている公共測量基準点を用いて、エアロボクラウドの3次元網平均計算精度を評価した。結果、水平方向誤差平均1.1cm、高さ方向誤差平均 0.96cmを得た。これは、エアロボマーカー/エアロボクラウドの2級GNSS測量機器性能基準を十分充たしている(最短基線長10km)。
  • 新点数25点、与点数3点、基線数73からなる大規模多角網計算でも、エアロボクラウドは処理可能で、得られた斜距離の偏差、新点の標準偏差は、4級基準点の許容範囲内であった。
  • エアロボクラウドでは、データセットサイズによらず、ログアップロード、計算開始と最短2ステップで、基準点測量が始められる。さらに、電子基準点を標準サポートしているので、現場に基準点がなくても、基準点測量ができる。

一般的な商用網計算ソフトウェアを使った場合、一連の基準点測量処理に加え、さらに、任意形状の多角網の作成や帳票レイアウトの調整機能など、機能面では、エアロボクラウドに比べて自由度は高いです。ただし、多角網の編集は手作業で行う必要がありますので、ワークフローの各ステップごと計算結果の検討が必要など、ユーザー負担も多いということになります。

一般的な商標計算ソフトウェアとエアロボクラウドの比較[比較表掲載]

補足1.サポートしている帳票

補足2.エアロボマーカーのアンテナ位相特性テーブル

・マルチ衛星対応記念キャンペーン!

AEROBO CloudはGPSからGNSSへ

GNSSとはGPS衛星だけでなくGLONASS衛星やQZSS(みちびき)等複数の衛星システムを利用して測位計算するシステムです。GPS衛星だけでは衛星数不足で「測れなかった場所」もGNSS化することで「測れる場所」になります。

このように時間帯によってはGPS衛星のみに比べて時間帯によってはGLONASS衛星をしようすることによって使用可能な衛星数が2倍程度になることがあります。都市部や山間部などでの使用用途も増加します。マルチ衛星対応は、作業効率の向上に繋がり衛星測位の利用範囲を広めます

・最後に

エアロボマーカー/エアロボクラウドは、基準点測量の詳細を詳しく知らなくても、誰でも簡単に3次元網平均計算や、必要となる帳票群を作成することができ、かつ、必要十分な性能/計算精度を備えています。測量計画さえ事前に立てれば、人的リソースの活用、測量コストの低減に有効なツールとなり得ると言える商品です。これを機に是非導入のご検討をされてみてはいかがでしょうか。閲覧ありがとうございました。

※:本記事は「エアロセンス社」より引用

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